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2006年10月28日 (土)

殺人上等!

B000jbxy7g09mzzzzzzz 昨日は渋谷へ。用事を済ませた後は夜までお散歩。
その後西口近くのさくら通りの坂を上り、シアターNへ向かった。
先月号の「映画秘宝」でべたボメしていた「
マーダー・ ライド・ショー2 デビルズ・リジェクト」 を見るためである。

プロットは至って簡単だ。舞台は70年代後半の米国中西部の片田舎。 殺人一家に兄を殺された保安官が私怨込みで彼らを追い詰めるというロードムービー(ホント簡単だ)。

で、何がスゴいって徹底したエログロ描写。一作目を見ていないのでなんともいえないが (もっとスプラッタだったらしい)、人質にしたオバさんを銃で脅してストリップさせるわ、パンティの中に銃口を突っ込んで 「ちゃんとキスしね~とブッ放っすぞ」とか、見ているこちらがガッツポーズしたくなるシーンのオンパレード。 ブレーキの壊れたアブノーマル人間が銃を持ったらこうするだろうなっていうか、要するに普通の映画じゃ陳腐過ぎて、 あるいはコードの壁で描かれないものがダイレクトに目の前で展開される。

カメラワークも含め全編にわたって60年代後半のアメリカンニューシネマへのオマージュが捧げられており、 オタク心をくすぐるとか、監督がロブ・ゾンビだけにサントラが素晴らしいとか、書こうと思えばホメ言葉はいっぱいあるんだろう。

でもこの作品がほかの凡百の映画に決定的な差をつけている部分は別にある気がした。 それはいわゆる型にはまった勧善懲悪、お決まりの善悪二元論をハナで笑い飛ばしている脚本ではないかと思う。

気狂いピエロのパパをはじめ、殺人一家のキャラがあまりに濃すぎて見過ごされがちだが、この映画で一番重要な役はウィリアム・ フォーサイス演じる、一家を追い詰める地元警察のワイデル保安官だろう。米国人の〝ヒーロー〟 エルヴィスを崇めているあたりもやたらと示唆的なのだが、 この保安官のふりかざす正義感は神の名のもとに戦争を仕掛ける今のアメリカそのものだ。「悪いヤツらは死んで当然。法律なんか関係ねえ」 ってんだから。「Devil's Reject(意訳して「悪魔よりもワル」)」は殺人一家だけでなくこの保安官も指しているのだろう。 ひねくれ者の私なんかはこの保安官にシンパシーを感じてしまうほど。

絶対善、絶対悪などそもそもこの世に存在しない。善なる存在(と一般に思われている人間) もいとも簡単に転向する。当たり前のことを描いているに過ぎないが新鮮さと懐かしさを同時に感じる。

テーマの普遍性といい、ディテールののこだわりといい、見終わった後の爽快感といい満点のデキ。 文句なく個人的に今年のベスト5入りする傑作だ。 こういうすぐれた映画がややエログロというだけで成人指定のような扱いでしかないのに首をかしげる。 昔だったら地上波でもバンバン流されていたジャンルだと思うんだが…。

ちなみにシアターNでは、昨年世界中のファンタスティック映画祭を席巻し、 成人指定なのに全米№1になった拷問映画「ホステル」が、「Devil's Reject」 の後釜として上映される。なかなかツボを心得た映画館だ。

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