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2006年4月29日 (土)

土俵際で踏み止まる

  とりあえず最悪の事態だけは免れたみたいだ。

   保坂展人議員の「どこどこ日記」 によれば国対同士の折衝で「今日は強行採決はしない」旨決定。連休明けに民主の修正案も含めての再審議を行うことになったようだ。まあ、 徳俵でギリギリ踏み止まっているという状況は変わらない。一気の押し出しを免れただけだろう。 でも良く与党が採決を諦めたものだ。 あれほど強硬だったというのに。

    ふと、どっかのブログで8chの「めざましテレビ」 が共謀罪について取り上げていたというエントリを思い出した。あの時間帯における占有率は結構な割合のはずだから、 これが事実なら何百万もの人が初めて「共謀罪」という言葉を耳にしたことになる。もしかしてこれが利いてたってことなのだろうか。

    翻って日本の新聞はあのフジテレビ以下か?  わたしの記事検索の方法が間違っているのかもしれないが、前回のエントリ以降全国紙のサイトにアップデートされている情報は日経のこの記事くらいだった。

       

衆院法務委、与党「共謀罪」採決提案  与党は27日の衆院法務委員会理事懇談会で、実際に犯行に着手していなくても事前に謀議しただけで罪に問える「共謀罪」 を創設する組織犯罪処罰法などの改正案について、28日の採決を提案した。民主党は拒否した。 28日朝の同委理事会で採決日程について再度協議するが、物別れとなれば審議が混乱する可能性もある。同委では原案と与党修正案に加え、 民主党修正案を併せて審議する予定だ。 (23:01)       

    採決が見送られたことはニュースでも何でもないという判断なのか。 それとも織り込み済みだったのかな。何れにせよけさの朝刊では載っていても超ベタ扱いだろう。 なんかもうネットで記事検索することすらアホらしくなってきた。

    そんな悲嘆に暮れながら北海道新聞のサイトを覗いてみる。 〝共謀罪〟で検索すると今月22日の社説がヒットした。 以下引用する。

   心配なのは、市民運動や労働組合、宗教団体、会社、 サークルなど、反政府的とみなされた活動が標的にされかねないことだ。実際に、 共謀罪はイギリスや米国で労働運動や政治運動の弾圧に利用された歴史を持つ。  与党の修正案が、 適用対象を犯罪の実行を共同の目的とする団体に限定したと言っても、「犯罪の実行」を、目的に掲げる団体があるだろうか。 いつ犯罪目的に変質し、いつ合意が行われたのかなどの判断は結局、警察や検察、裁判所に委ねられる。     

    修正案は、 何らかの準備行為があることをも共謀罪の構成要件に加えたが、「何らかの準備」は、殺人予備罪などの「予備」行為より手前の段階という。 何が該当するかあいまいだ。  実行前に自首すると刑を減免する規定も残っており、密告の奨励につながる。「壁に耳あり、 障子に目あり」 と、周囲に気を使い、人をスパイと疑ったかつての日本に戻る恐れがある。                 

   法律ができた後、共謀容疑をつかむために、 捜査手法が拡大される懸念もある。現在は限定的にしか認められていない警察の盗聴を、政府・自民党が広く許す法改正を検討している。        

 う~ん。一部をコピペしたが(中略)にすべき箇所が見当たらない(笑)。 さすがは道警裏金疑惑で名を馳せた道新(もっとも最後は関係者を飛ばして道警の軍門に下ったらしいが…)。 22日付だから書かれたのは法務委員会で審議が再開された21日だ。さて22日付けの朝日、 読売の社説は何だったかなと思い調べようとしたが…。

    をいをい、23日付からしか読めないじゃないか。 社説はその新聞の意見、姿勢を明確に示すものでしょう。それくらい無料で全部読ませてほしいよ。 ちなみに日経は22日付から、 毎日新聞が3月30日からのひと月分だった。そして何と産経新聞が3月1日付からの掲載である。

    結局フジ、産経が一番ましっていうこと?

 

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2006年4月27日 (木)

反対集会は完全無視

    昨日、日弁連会館クレオで共謀罪反対集会が行われた。 最近良く読んでいる保坂展人衆院議員の「どこどこ日記」 、そして「ニュース・ワーカー」 の両ブログでもこのことが取り上げられていた。

    それによれば出席者は500人近く。 その場で民主党が抜本的修正案ををまとめたことを報告し、金曜午前中の法務委員会の理事会で並行審議を要求する構えのようだ。

    それを受けて新聞各紙(読んだのは関西版) はどんな論調なのかと思い、朝日新聞をざっと斜め読みしたのだが関連の記事が見当たらない。続けて読売、毎日、 日経そして中日新聞までパラパラめくってみたのだがどこにも記述はなかった。続けて各紙のサイトを訪問。ここでも反対集会関連は皆無。 朝日新聞には民主党の修正法案関連の記事があった。

   

        民主、共謀罪の修正案提出へ 国際的犯罪に限定 2006年04月27日02時30分  民主党は26日の「次の内閣」会議で、共謀罪を新設する組織的犯罪処罰法改正案への修正案を正式に決定した。 政府案やすでに提出されている与党修正案より、対象をさらに厳格にした。27日にも衆院に提出する。 修正案は、 共謀罪の対象となる団体を「組織的犯罪集団」と明記。対象犯罪を、政府案の「懲役・禁固4年以上」から「同5年以上」に絞ったうえで、 「性質上国際的な犯罪」に限定した。  これにより、政府案では615種にのぼる対象罪種が300余りになるという。犯罪の「予備行為」 をした場合にかぎって処罰されるという条件も加えた。  また共謀罪の創設と併せて提出されているサイバー取り締まり法案の修正も提案。 通信履歴の保全を捜査当局が要請できるのは 「1回だけ」とし、通信業者は要請を「拒絶することができる」とした。    

    アップはけさ2時30分。どうりで朝刊に載らないわけだ、文中の 「次の内閣」会議が行われた時間が遅かったのだろうと思ったが、水曜昼にアップされている日経の記事ですでに法案の内容についてはふれられていた。

   

        民主「共謀罪」修正案、27日提出へ  民主党は26日の法務部門会議で、 犯罪を組織的に謀議しただけで罪に問うことができる「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法などの改正案について独自の修正案をまとめた。 同日の「次の内閣」会合で了承を得た上で27日にも国会に提出する。  政府案に比べ適用範囲を厳格に制限した。 対象団体を組織的な犯罪集団に限定。国際テロ対策の観点を踏まえ国境を越える「越境性」も要件とする。 対象となる犯罪行為を政府案の約600から約300に減らす。与党は政府案の28日採決を目指しているが、 民主は徹底審議を求めていく方針。 (13:01)    

    日経の朝刊にこの記事はなかったから、 載ったとすれば夕刊だったのか。何れにせよ反対集会の模様は朝刊の社説(けさは耐震偽装一斉逮捕、ホリエモン保釈祭り) や社会面はもちろん政治面でも完全にシカトされていた。野党3党の国会議員12人が参加し、その中には民主党・菅代表代行、社民党・ 福島党首が含まれていたにもかかわらずだ。金曜の強行採決は規定路線だから今更取り上げてもという編集判断かもしれないが、 いずれにせよこれは意図的だろう。

    「政治家に頼るよりも、 一人でも多くの人が共謀罪とはどんなものかを知ることが大事だ」とは前出のブログ「ニュース…」で紹介された寺澤有氏のコメントだが、 もはやそんなことを言っている場合ではないような気が…。持続的な報道どころか共謀罪報道そのものが早晩消えちゃいそうである。

 

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2006年4月26日 (水)

革命いまだ成らず?

    今日は新宿へ。コマ劇前の新宿東急で 「Vフォー・ヴェンデッタ」を見てきた。 mo4091.jpg

    脚色を担当したウォシャウスキー兄弟(姉弟?  詳細は町山智浩氏のブログを)をはじめ「マトリックス」 のスタッフが再集結。英、独資本で昨夏に公開予定だったが、同時期にロンドン・テロが発生。 テロリストを賛美する内容のため公開が延期されたいわくつきの映画だ。

    先週のニューズウィーク日本版でボロクソに叩かれていたので期待半分で見に行ったのだが、これが「期待半分」に違わぬデキ。 原作のコミックが80年代に描かれたもので(独裁者の名前はサッチャー+ヒトラーでサトラー。語り口はブッシュそっくり)、 舞台はロンドンだけにマトリックスよりはすんなり物語の淵に入り込めたが、飛び込んでみたら存外底が浅かったというか。

    プロットはマトリックスとほぼ変わらない。人を支配するシステム (Vでは独裁体制による恐怖政治)があり、異分子が(ここではVがモーフィアスよろしく)仲間を集めて革命を試みるというものだ。 原作モノだけにキャラクターの魅力は秀逸だし、ディテールへのこだわりはマト同様。大学のときに見たマト1stには結構衝撃を受けただけに、 「V」の収まりの悪さは何なんだろうと思いながらラストの爆破シーンまで見終わってようやく気付いた気がした。

    あまりにワンパターンかつステレオタイプなんだと思う。 革命や体制変革といったものを単純な勧善懲悪の枠にはめると途端にウソっぽくなるからだ。属人的な独裁よる全体主義国家は、 それのみとして捉えれば、悪には違いない。でもそこに至る過程は民主的だったはず。そのプロセスが描かれてないためか、終盤の一般市民が 〝目覚め〟るシークエンスも説明不足で、単なる「仮面オフ会」としか感じられなかった。

    例えば「スターウォーズ」におけるパルパティーン(皇帝) の台頭はきっちり説明がなされていた。彼の登極は、腐敗した共和国の官僚制度撤廃という善なる目的のため、 そして元老院というまさに民主的な手段をもって行われたものだった。 いつの時代も独裁を生むのは民衆の総意であるという皮肉が見事に描かれていたと思う。

M46 「マトリックス」 でいえば印象に残っているモーフィアスの言葉がある。「まるで現実のような夢を見たことがあるか?  もしその夢が醒めないとしたら、お前はどうやって夢と現実を区別できる?」(微妙に違ってる気も)というやつだ。 ネオは赤いカプセルを飲んで荒廃した現実世界で目覚めることを選び、マトリックスから抜け出したことを後悔しているサイファーは、 彼にとって実りや幸福の感じられない現実世界に見切りをつけ、永遠に醒めない夢(マトリックス)を選んだ。

    わたしが「マトリックス」 シリーズを通じて一番印象深いキャラクターが実はこのサイファーである。ヤなことは見たくない。だったら夢の中で安逸をむさぼることを選ぶ。 この生き様が現実から目を背ける自分自身を鏡で見ているようだったからだ。

けれど映画とは違ってわたしが生きるこの世界は現実世界そのもの。 プログラムではない以上自らが拠って立つこの土台が崩れてしまう可能性だってある。ならばわたしは赤いカプセルを飲んで「目覚め」 るしかないのでは…などとマジに考えさせらた。

    「V…」 には映像表現も含めて見る側を瞠目させるような新しい要素は皆無だった。 現実のパロディーとしてああいう脚本を書いたのもしれないけどパロディーにしては品がないもの。

    といったようなことを考えながら前述の町山氏のブログを読んでいたら「V…」の脚本は「マトリックス」以前に完成していたことを知って納得。 これを踏み台にしてあのアイディアが湧いてきたと思うとしっくりきたのだった。

  

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2006年4月21日 (金)

〝国際〟の文字が消えた条文

前回に引き続き共謀罪について書いてみたい。

この条項が00年に国連で採択された「国際組織犯罪防止条約」 を受けてのものであることは前回も書いた(外務省のサイトに和訳全文がある) 。

そこで一般人が不思議に思うのは共謀罪の法案から突然〝国際〟の文字が消えてしまったこと。

前回も紹介した法務省の「組織的な犯罪の共謀罪に関するQ&A」 (条約原典へのリンクもない、自分の主張だけのすっごく不親切なページ)ではこうある。

Q6 国際組織犯罪防止条約に基づく法整備なのですから, 組織的な犯罪の共謀罪の対象を国際的な犯罪に限定すべきではないのですか。

A 国際組織犯罪防止条約は, 国際的な組織犯罪に対処するための国際協力の促進を目的としていますが,組織犯罪に効果的に対処するため, 各締約国が共謀罪を犯罪とするに当たっては,国際的な性質とは関係なく定めなければならないと明確に規定(同条約第34条2)しており, 国際性の要件を付することを認めていないので,このような国際性を要件とすることはできません。

また,実際問題としても,仮に国際性を要件とすると,例えば, 暴力団による国内での組織的な殺傷事犯の共謀が行われた場合であっても,このようなものは国際性の要件を満たさないことから, これを共謀罪として処罰できなくなってしまいますが,そのようなことは不合理です。

確かに34条の2にはこのような文言があるのだが、同時に 「第5条の規定により組織的な犯罪集団の関与が要求される場合には、この限りではない」という但し書きもついている。
そこで第5条も見てみたが正直良く分からない。ただ「国際性の要件を付することを認めていない」とまでの強いニュアンスは感じなかった。

後段は素人のわたしにもわかりやすいあからさまに強引な論理展開。

「暴力団による国内での組織的な殺傷事犯」をそれほど問題視するのなら、 それを取り締まる法律をつくればいいだけでは? 
振り込め詐欺については
警察庁の発表資料を見ても分かる通りピーク時に比べ被害額は半減している。 今行われている捜査の体制と広報活動は実際に大きな効果を挙げているわけで、どうにも説得力には乏しい。

いわゆる〝重大な犯罪〟の対象をこれほど広範にすることこそ「不合理」な気がするのだが…。

前回のエントリを書いたあと、降って沸いたようにトラックバックがあった。 各TBをたどっていくと多数のブログで取り上げられており、思ったより大きな運動になっているのかも。

ただ法案は今日21日に審議入り。そして連休前の採決を目指している。

残された時間は絶望的に少ない。

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2006年4月20日 (木)

共謀罪審議入り

共謀罪が遂に今月21日から衆院法務委員会で審議入りすることになった。 (共同電)
いや、〝遂に〟というのは正しくないか。保坂展人議員のブログによれば不意打ち的なやり方で、 しかも「連休前には採決したい」のだというのだから。

言い直そう。

共謀罪が突然かつ強権的手法をもって衆院法務委員会で審議入りすることになった。

このことについて新聞各紙のサイトをちょこっと覗いてみたが、社説はもちろん、 一般記事でも大して取り上げていない。調べた中で、具体的な乱用の危険性など、 まともなことを書いていたのは4月3日付毎日新聞メディア面のバックナンバーくらいだった(共謀罪: 新設審議ヤマ場 「内心の処罰」で攻防)。

この記事やほかのブログなどを見たところ、こんな法案が出てきたきっかけ、 根拠は00年1月に国連で採択された「国際組織犯罪防止条約」に日本が署名、03年に国会で承認したためのようだ。

法務省のサイトにある「組織的な犯罪の共謀罪に関するQ&A」でも冒頭で 『この条約が義務付けるところに従い,「組織的な犯罪の共謀罪」を新設する必要があります』 と国内法の早期整備が必要であると謳っている。

注目すべきは法が適用される団体の定義であろう。件の国際条約の第2条にはこうある。

本条約において「組織的な犯罪集団」とは、三人以上の者から成る組織された集団であって、 物質的利益を得るため重大な犯罪又は条約に従って定められる犯罪を行うことを目的として一体として行動するものをいう。

これを受けて法務官僚が書いた条文が前出Q&Aの下のほうにあった (おそらく今年2月に出された修正案?)第6条の2。その注記が以下の引用。

 団体の活動: 団体(共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって, その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織により反復して行われるもの)の意思決定に基づく行為であって, その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するもの 〔第2条第1項・第3条第1項〕   *2  団体に不正権益 (団体の威力に基づく一定の地域又は分野における支配力であって, 当該団体の構成員による犯罪その他の不正な行為により当該団体又はその構成員が継続的に利益を得ることを容易にすべきものをいう) を得させ,又は団体の不正権益を維持し,若しくは拡大する目的

「物質的利益」に対応するのは「不正権益」であろうか。不正権益とは 「犯罪その他の不正な行為による利益」だという。この手の法律を見ていつも思うのだが「その他」って。 わたしは法律に関しては門外漢だがこうやって曖昧にするのは、運用する側に大きな裁量権を与えるだけなのではと思ってしまう。

〝国際〟の文字がいきなり消えているのも気になるなあ。

 

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2006年4月 3日 (月)

ウーゴ・チャベスという男(漢?)

先月中旬にBS1で放送された「世界潮流 〝イラク〟は世界をどう変えたのか」を見た。

内容は2部構成の討論番組。
前半は宗派間の対立、クルド人問題など激変する現在のイラク情勢とその影響について。 イラク議会選挙でシーア派がマジョリティとなったことにより中東各国に地殻変動が起こっている。

スンニ派の王家による支配が続いていたバーレーンやサウジアラビアなどでは虐げられてきたシーア派の住民たちが公然と反政府運動を行い始めたという。 その動きを支持し地域への影響力拡大をはかる大国イラン…。国境を越えて宗教を軸とする横のつながりが広がろうとしているというもの。

後半は米国内で進むイラク攻撃批判の動きと、米国の〝裏庭〟 だった中南米で広がる反アメリカの動きそしてカスピ海の天然資源を巡るエネルギー争奪戦について。

Chavez2006011401_2 ベネズエラのチャベス大統領は昨年11月、 FTA導入を話し合う米州サミットに出席した際に同時に行われていた市民集会に参加し、反ブッシュのシュプレヒコールを上げた。

日本の常識ではおよそ考えにくい行動である。この男に興味が沸いたのでググってみた。 国際情勢解説サイトのアジアの声にその名もチャベス・ ウォッチといコーナーがあり、 そこにチャベスの最新の言動がアップデートされていた。 

2006年2月17日、チャベス大統領は、 アメリカのベネズエラ批判が一線を越えるようなら、同国への原油供給を停止すると警告した。アメリカは輸入エネルギーの15% をベネズエラに依存している。前日、ライス米国務長官が、チャベス政権に反対する運動を展開することによって、 チャベス大統領の影響力を弱めたいと発言していた。

2006年2月24日、チャベス大統領は、 アメリカの航空会社のベネズエラへの乗り入れを制限すると語った。

おいおい…。ますます反米的な態度を強めているじゃないか。

今や中南米をまとめうるカリスマ(ゲバラの肖像をバックに演説する姿は心を動かすものがあった) となったチャベスさんは他地域での味方作りにも積極的だ。

2006年2月8日、チャベス政権のラミレス・エネルギー石油大臣は、「2006年は、 中国に対する原油の輸出量を3倍にする」と述べた。これにより、1日あたりの原油輸出量を30万バレルに拡大する。

敵の敵は味方とでも言おうか。今度はロシアあたりかな。
積極的に資源外交を展開するチャベスの狙いについては田中宇さんの「
石油で世界を多極化する南米のチャベス」が説得力があった。

チャベスは、中南米諸国の統合を強めてアメリカの支配から独立に導こうとする構想を持ち、 それを19世紀に中南米をスペインから独立させた英雄シモン・ボリバルにちなんで「ボリバル主義」と呼んでいる。 中南米諸国に石油を安く売る戦略は、ボリバル主義の一環である。チャベスの考え方には、キューバ、ブラジル、アルゼンチン、 ウルグアイといった国々の指導者が賛意を表明している。これらの国々は、先日の米州サミットで、 アメリカ主導の自由貿易圏構想FTAAに反対した。

たしかに米国を排してのマルチラテラルな枠組み作りが彼の究極の目標とすれば、 一連の言動にも素直に納得がいく。
それがあながち夢物語とも思えないほど、 現在の国際社会において戦略資源としての石油や天然ガスなどの価値は高まっているということなのだろうと思った。

  

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