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2006年3月28日 (火)

司法権力暴走中

オウムの麻原被告の公判打ち切りが決定した。以下引用。

地下鉄、松本両サリンや坂本堤弁護士一家殺害など13事件で殺人罪などに問われ、 1審で死刑判決を受けたオウム真理教(アーレフに改称)の松本智津夫(麻原彰晃)被告(51)について、東京高裁(須田賢(まさる) 裁判長)は27日、被告の訴訟能力を認めたうえで、控訴を棄却する決定を出した。 最高裁の統計がある78年以降、1審で死刑とされた被告の控訴審が、棄却決定されるのは初めて。事件の首謀者とされる被告に対し、 高裁で一度も公判を開かずに死刑判決が確定するという異例の事態となる見通しとなった。(毎日新聞) - 3月27日21時31分更新

わたしは法律に関しては門外漢だが、以前のエントリでも書いたように今回の件でより注目すべきは、 弁護士の訴訟戦術がどうとかくだらないことではなく、訴訟能力の有無を判断する精神鑑定の正当性だったのではと感じている。

鑑定医師を担当判事が任意に指名でき、しかもその鑑定は密室での1対1。 この結果が公式なものとしてオーソライズされるというのはやはり不当だろう。

指名した医師が、判事にとって都合のいい鑑定結果を出す〝御用〟医師でない保障がどこにある?  しかも今回の件では、この須田とかいう男は、拘置所の被告人に会いに行くという禁じ手まで使って、 「弁護側が独自に出した鑑定は認められない、こっちの鑑定のほうが正しいもんね~」と言っているわけだ。

いわゆる責任能力の有無についてはどういったプロセスで認定するのかわからないが、 普通に考えればオープンな環境での鑑定、それも複数の医師の見解から総合的に判断すべきものだと思うんだけど。

テレビは見てないが、昨日あたりは西澤某のニュースで霞んでしまったのだろうか。社説は各社 「妥当な判断」との見解がほとんどでがっくし。続いてブログ検索でざっと見たところこちらは総じて「ざまあみろ」的な言説が…。 中にはこんなものまであった。

これ以上、真実が詳らかになる事もなさそうだから、被害者・ 遺族に区切りをつけてもらうためにもとっとと吊っちゃえ。税金のムダだ。

こういった人たちが裁判員に選ばれでもしたらと思うと空恐ろしくなる。 裁判員制度は冤罪を大量生産するのではと危惧してしまう。 というかこういった人たちは自分の身に降りかかる場合のことに考えが及ばないのだろうか。

今回の強引な控訴棄却は裁判員制度導入を間近に控えた裁判所が「迅速化」 という強迫観念に駆られた結果、麻原裁判をシンボリックに利用しようとしたのでは、と邪推したくもなる。もしそうだとすれば、 その思惑は見事に成功しようとしている。

 

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コメント

どうも、裁判員に選ばれちゃうと困る人ですw
精神鑑定も何も、それが焦点になるのは
実行段階の事だと思うのですが、その辺は
どうお思いでしょうか。

あと、冤罪に関してですが、
これって実行うんぬんじゃなくて、裁判を
持続できるかできないかが争点になっているだけの
事案でしょう。ケースとしてはエラい違いがあると
思うのですけども。

その辺をすっとばして色々言われても何だなぁ、
とか思っちゃいますよ。

投稿: ひろぽん | 2006年3月29日 (水) 00時18分

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